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MAGAZINE 35

GANZOのコードバンシリーズ

それぞれのシリーズが持つこだわりの特徴

馬の臀部から採取され、強くしなやかで美しい光沢を放つ極上のレザーがコードバンです。
GANZOでは“革のダイヤモンド”や“革の王様”などと称される、この希少かつ特別な革を使ったさまざまな製品を作り出しています。GANZOで扱うコードバンは3種類。似ているように見えて、実は異なる魅力を秘めた各シリーズの特徴をそれぞれご紹介します。

CORDOVAN R.C.

イタリア中部に位置する地中海に面した風光明媚なトスカーナ州・サンタクローチェに工房を構えるロカド社が誇るコードバン。世界三大レザーのひとつに挙げられるイタリアで代々にわたり伝統技術を継承してきた技術は品質が高く、革の加工技術には定評があります。牛革に使われていた数々の技術をコードバンに採用することでオイルを多用した、強くてしなやかなコードバン作りを続けております。

強くしなやかな質感と、なめらかな風合い

ロカドが製造するコードバンは、オイル仕上げのコードバンです。オイル仕上げのコードバンは、折り曲げ部分の割れを防ぐために開発をされた製法。イタリアでは古くからタンニン(植物系)とオイル(油脂成分)をバランスよく革の内部へ配合させたバケッタ製法が有名です。オイルを多用しているため、なめらかな風合いで、使うたびに上質さを実感できるコードバンとなります。

深みと透明感のある艶やかなカラーリング

イタリアの伝統的な手法が生かされた奥行きと透明感のある鮮やかな発色が魅力。しっとりとした艶っぽさをまとった芸術的なコードバンです。

Tanner ROCADO in ITALY

革の街として知られるイタリア中部トスカーナ州にあるサンタ・クローチェにて1982年創業。原皮商でもあり、仕入れから仕上げまでを自社で一貫して行えるのが強み。

CORDOVAN R.C. ― ROCADO Leather

CORDOVAN

日本には四季があり、温度も湿度も移りゆく中で、革の個体差、色の微妙なブレを楽しみ、少しずつ柔らかく、折りジワがつき、色合いも変化するなど、エイジングしていく喜びを味わえる国内生産のコードバンです。もともと硬すぎて革小物などには向いていなかったコードバンを、独自に水染め。それによってワックスが入るようになり、出てくる色も少しずつ変化。緩やかに表情を変えていく革に仕立てています。

水染めによって生まれる色むらが個性に

水溶性の染料を使用した水染めによって仕上げられたアニリンコードバンです。染料が深くまで浸透している部分とそうではない部分から生まれる自然な色むらが魅力で、立体的で味わい深い革本来の表情を味わえます。ワックスで磨きながら使っていくことで色合いも変化。使い込むほど艶やかな色気を纏います。

質実剛健な素材だからこそ、長くお使いいただけます

最初はかたさを感じるかもしれませんが、使っているうちにやわらかくなり、手にも馴染んでいきます。付き合いの長さとともに折れジワが表面に少しずつ刻まれていったり、風合いが変わっていくことで、世界でひとつの表情に。革を育てていく面白みを感じられるのも、CORDOVANの魅力の一つです。

Tanner 新喜皮革 in JAPAN

1951年創業の馬革専業のタンナー。生産にかける時間と職人の技術力が革のダイヤモンドと称されるコードバンの光沢を引き出す。

CORDOVAN ― Tannage’s section 姫路が世界に誇る革

SHELL CORDOVAN

100年以上の歴史を誇る老舗タンナーのホーウィン社が誇るコードバンです。ネーミングの由来は、まるで貝(シェル)のように強く、使っているうちに貝を磨いた時のような艶やかな表情になってくるため。その特性ゆえにもともとは馬具や労働者向けのブーツに使われていた革であり、現在では高級レザーシューズにも使用されている、まさにアメリカの歴史を物語るもの。過酷な環境で選ばれてきた事実に裏打ちされた、しなやかで屈折に強く、耐久性にも優れたSHELL CORDOVANは、毎日使う革小物にも適した革なのです。

下地から染めるから傷やシワが目立ちにくい

生地の表面だけではなく、下地から染める丸染めを採用。生地の内側から色が入っているため、深みがあってやわらかな光沢感が魅力です。ミシン穴が空いても下地が目立たず、たとえ表面がひび割れても割れ目から顔を出すのは表面と同色なので、補修も容易。長く愛用しやすい革です。

屈曲に強くてやわらかい頼もしきコードバン

丸染めを行う際に染料だけでなくオイルも下地にたっぷり浸透させているので、コシがあってやわらかく屈曲に対する耐久性も確保。シワの入り方が独特で個体差もあるため、量産品でありながら、一点ものとしての魅力も備えているのが特徴です。骨太で頼もしささえも感じさせるこの革は、ホーウィン社の長く雄大な歴史を今も紡いでいます。

Tanner Horween in the USA

1905年設立。アメリカ・シカゴにある老舗のタンナー。馬具用ブーツに使う革の生産から始まり、現在では高級レザーシューズにも同社のコードバンがよく使われている。

SHELL CORDOVAN — Horween Leather

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